TSME(Theoretical Solid MEchanics; 数理固体力学グループ)
尾方研究室 原子レベルスローダイナミクスシミュレーション
ー固体中の原子レベルの長時間現象の理解にむけてー
教授:尾方 成信,准教授;君塚 肇,助教:譯田 真人
結晶金属やガラスなど、固体材料は我々の身近にある工業製品に広く使われています。固体材料の構造や性質は様々であり、これらを原子レベルから理解することは、性質の改善や新たな材料の開発につながります。本研究室では原子シミュレーション手法を用いて、固体材料の中で起きる原子レベルの現象について研究を行っています。 原子シミュレーションでは個々の原子の運動を扱います。このため、多くの原子を含む大きな空間スケールで起きる現象や長い時間スケールで起きる現象を調べるのに困難を伴います。この課題の克服を目指して、本研究室では長い時間スケールで起きる現象を扱うことのできる新たなシミュレーション手法の開発に取り組んでいます。開発した手法を用いることで、従来の原子シミュレーションでは扱うことができなかった、極めて長時間の現象を原子レベルから理解することが可能となります。図は鉄中の炭素原子の拡散の原子シミュレーションで、低温でのゆっくりとした拡散も精度良く求めることが可能です。 原子シミュレーションの時間スケールの制約のため解明が進んでいない固体材料中の現象は多くあります。このような現象を原子レベルから解明することは、学術的に意味があるだけではなく、産業分野への大きな貢献が期待できます。
尾方研究室ホームページ
http://tsme.me.es.osaka-u.ac.jp/
Last Update : 2013/06/26