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研究室だより Vol.7 川野研究室

機能デザイン領域 分子流体力学グループ 川野研究室

マイクロ・ナノ空間におけるイオン流動現象

教授・川野聡恭,准教授・土井謙太郎,助教・花﨑逸雄,助教・辻徹郎

陽イオンと陰イオンが電極間を移動することによりエネルギーが生み出される原理は,身近なところでは電池としてよく知られています.近年,微細加工技術の発展により,マイクロ・ナノスケールにおけるイオン流動現象を利用した電池やキャパシタの開発が盛んに行われています.微小空間において無駄の少ないイオン輸送を実現することにより,高エネルギー密度やジュール発熱の抑制が実現され,低消費電力デバイスへの応用が期待されます.

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我々は,電解質溶液におけるイオンの振る舞いを分子流体力学の立場から眺め,非平衡のイオン流動現象を理論と実験の両面から研究しています.たとえば,右上図に示すように,微小な対電極が設置された液溜めを塩化ナトリウム水溶液で満たし,そこに電圧を印加すると過渡的なイオン電流の応答が見られます.微小電極を用いることで非常に微弱な応答を検出することも可能です.理論的には,電極に電位差が生じた瞬間にその近傍にあるイオンが応答して電極表面を遮蔽するとともに,電場の変化に追従して広範囲にイオンの平衡分布が乱されるためだと考えられます.右下図に示すように,ノイズを含むイオンの応答特性が理論モデルにより再現され,電圧印加直後の電極表面の遮蔽による急峻なイオン電流の立ち上がりと,引き続く広範囲の応答による緩やかな減衰が見られます.この結果は,現実の時空間スケールをよく説明しています.

他方で,一分子を計測する技術が飛躍的に発展してきており,微小電極を用いてDNA(デオキシリボ核酸)の塩基分子を識別しようといった研究が進められていますが,そこにも我々の研究成果が貢献しています.

研究内容の詳細やその他の研究テーマについての説明は当研究室のホームページをご覧ください.

川野研究室ホームページ http://bnf.me.es.osaka-u.ac.jp/

Last Update : 2015/06/15